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演習No.001
問題27
以下の文章の鑑識法により同定される物質として、適切なものは次のうちどれか。
水溶液を白金線につけて無色の火炎中に入れると、火炎は著しく黄色に染まり、長時間続く。
解説
選択肢(2)が適切です。
毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他に関する問題です。
水溶液を白金線につけて無色の火炎中に入れると、火炎は著しく黄色に染まり、長時間続く。
炎色反応が黄色であることを説明しています。
それが長時間続くと説明がありますので、選択肢(2)水酸化ナトリウムが適切ということになります。
炎色反応が黄色である類似問題がナトリムです。
白金線につけて溶融炎で熱し、炎の色を見ると黄色になる。
これをコバルトの色ガラスを通してみれば吸収されて、この炎の色は見えなくなる。
官報公示名 | 化学物質 | CAS | 分類 | 規定 |
水酸化ナトリウム | 水酸化ナトリウム | 1310-73-2 | 劇物 | 法54 指68 |
ナトリウム | ナトリウム | 7440-23-5 | 劇物 | 法62 |
無機銅塩類 | 塩化第二銅 | 劇物 | 指72 | |
アンチモン化合物 | 塩化アンチモン(III) | 10025-91-9 | 劇物 | 指7 |
バリウム化合物 | 硫化バリウム | 21109-95-5 | 劇物 | 指79 |
化学物質 | 鑑識方法 |
塩化第二銅 | 鑑識法の記述無し。 「無機銅塩類。ただし、雷銅を除く。」(政令第2条第72号) |
水酸化ナトリウム | 水溶液を白金につけて無色の火炎中に入れると、火炎は著しく黄色に染まり、長時間続く。 |
塩化アンチモン(III) | 鑑識法の記述無し。 「アンチモン化合物」(指定令第2条第7号) |
硫化バリウム | 鑑識法の記述無し。 「バリウム化合物」(政令第2条第79号) |
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水酸化ナトリウムの特徴
化学名 : | 水酸化ナトリウム |
一般名 : | カセイソーダ |
成分及び含有量 : | 水酸化ナトリウム(97.0% 以上) |
化学式又は構造式 : | NaOH |
危険有害性の要約
最重要危険有害性: | 強アルカリ性、腐食性 |
有害性 : | ・蛋白質を分解する作用があり、付着したものを完全に除かない限り、次第に組織の深部に及ぶ恐れがある。 ・飲んだ場合、口内、食道、胃等の粘膜が侵されて死亡することもある。 ・粉塵やミストを吸収すると気管、肺などに炎症を起こす。 ・消化器粘膜または深部組織を侵され、死亡することもある。 ・皮膚にふれた場合急激に局所を腐食し、腫れや発熱を起こす。 ・低濃度溶液でも水分が蒸発することにより同様の症状を起こす。 ・目に入った場合、結膜や角膜が激しく侵され視力低下や失明することがある。 |
環境影響 : | 水に混入するとアルカリ度が上昇して水棲生物が死滅することがある。 |
物理的及び化学的危険性 : | 火災0(危険無)人体3(危険大)反応1(要注意) ・中程度の急性毒性があり、目に入った時は重大な障害を生じる恐れがある。また皮膚に触れると炎症を生じることがある。 ・水と接触すると発熱する。強アルカリ性で腐食性が強い。 ・空気中の湿気により発熱し、可燃物を発火させることがある。 ・加熱・燃焼の危険性無し。 ・アルミニウム、錫、亜鉛等の金属を腐食し、可燃性ガス(水素)が発生する。 |
特定の危険有害性: | 燐化合物と反応し、有毒、可燃性ガス(燐化水素)を発生する。 |
分類の名称 : | 急性毒性物質、腐食性物質 |
火災時の処置
消火剤 : | 当該物質を巻き込んだ周辺の火災に適切な消化剤を使用すること |
特定の消火方法 : | 周辺火災の場合の処置 すみやかに容器を安全な場所に移動する。 移動不可能な場合は、嘔気を破損しないように注水し冷却する。 製品に直接水をかけると発熱する。 周辺火災の消火に努める。 強アルカリなので、製品が混入した消火排水は酸による中和処理が必要である。 |
漏出時の処置
人体に対する注意事項 : | 作業の際には必ず保護具を着用。 |
環境に対する注意事項 : | 公共用水水域に流さないようにする。 |
除去方法 : | ・大量の場合、極めて腐食性が強いので、必ず保護具を着用する。防水シート等で表面を被覆して飛散防止を図り回収する。 酸(希塩酸、希硫酸等)で中和し大量の水で十分希釈し洗い流す。 回収物は、「廃棄上の注意事項」の項により処理をする。 ・少量の場合、希塩酸で中和し大量の水で希釈し洗い流す。 回収物は、「廃棄上の注意事項」の項により処理をする。 |
保管
適切な保管条件: | ・貯蔵容器には「医薬用外」の文字、及び白地に赤色の文字で「劇物」表示し、水分を吸わないように容器は密閉して保管する。 ・貯蔵場所には、毒劇物と他の薬品を区別して保管できるようにする。また、容器の破損に備えて、酸、金属、有機過酸化物などから隔離しておくことが望ましい。 ・鋼製容器で貯蔵する場合には、容器の外面からの腐食を防ぐためできるだけ乾燥した室内に置く。やむをえず事業所内の屋外に置かなくてはならない場合には、適当な台の上に置き、その上にシートを掛ける。ただし、長期間の屋外貯蔵は避けること。 ・袋で保管する場合は水等による濡れ防止措置を講じ、開封したらすぐ密閉すること。 ・空気に常時触れていると、空気中の二酸化炭素を吸収して、白い粉末伏の炭酸ナトリウムが生成し、湿気を吸収して純分が低下するので極力空気に触れさせないこと。 |
安全な容器包装材料 : | 鉄ドラム缶(ポリエチレン袋)、フレコン |
物 理 的 状 態
形 状 : | 白色鱗片状 |
色 : | 半透明白色 |
臭 い : | 無臭 |
pH : | 14以上 |
安定性及び反応性
安 定 性 : | 空気中の湿気を吸って潮解する。 |
反 応 性 : | ・酸と激しく反応して発熱する。 ・憐化合物と反応し、有毒・可燃性ガスを発生する。 ・アルミニウム、錫、亜鉛などの金属を腐食し、可燃性ガス(水素)を発生する。これが空気と混合して、爆発性の気体を生ずる恐れがある。 ・有機化合物に対しては、油脂を鹸化したり、塩素化炭化水素を脱塩酸する。 ・ 動物性繊維は容易に腐食される。植物性繊維も腐食されるが、前者に比べてかなり 耐食性が大きい。 |
廃棄上の注意
「取扱及び保管上の注意」の項による他、毒物劇物取締法(第15粂の2)等関係法令に従って適正に処理処分すること。
大量の場合 : | 廃アルカリは特別管理産業廃棄物なので、そのまま一般廃棄物としてはいけない。収集、運搬、処理は定められた基準にしたがって行うこと。 ・廃棄するときは、少しずつ薄い酸で徐々に中和し、多量の水で希釈して排水溝に流す。 ・中和するために濃度の濃い酸溶液に投入すると、発熱によって突沸した液が容器から吹出すことがあるので、必ず溶解後に薄い酸で中和すること。 |
残余廃棄物及び汚染容器・包装の廃棄方法 : | ・容器残余廃棄物は水洗し洗浄液を中和し排出する。 ・容器は洗浄し廃棄する。 ・包装は洗浄し廃棄する。 |
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