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毒物劇物取扱者試験問題

問題12

原子間の共有結合には極性があるが、分子全体としては打ち消されている無極性分子として、適切なものは次のうちどれか。

	水
	塩化水素
	アンモニア
	二酸化炭素

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解　 説

基礎化学に関する問題です。

原子と原子の結合には、
①イオン結合
②金属結合
③共有結合
④配位結合
の四つがあります。

共有結合化合物の例としては、
①水素分子H₂
②塩素分子Cl₂
③塩化水素分子HCl
④メタン分子CH₄
⑤アンモニア分子NH₃
⑥二酸化炭素分子CO₂

などがあります。

電気陰性度とは、二つの原子間で共有結合できたときに、それぞれの原子が共有電子対を引きつける強さを表したもので、各原子固有のものです。

すべての元素中で、電気陰性度の強い順番は、
F＞O＞N＞Cl＞Br＞C＞H＞Na＞K
(本は　　　　　黒くて臭い箪笥のなか)
　　　　　　　　　　　　炭素・水素

となります。

二酸化炭素CO₂の場合、
CとOの結合、どちらの方が電気陰性度が大きいかを比べるとOがCより大きいです。
Oの方が電子を引っ張る力(電気陰性度)が大きいから

O＝C＝Oの共有電子対がOに引かれるのです。

するとCO₂は

O←C→O

となりC→Oが引っ張り合っています。

同じ力引っ張りますので偏ることがないため、
無極性分子となります。

塩化水素は
H－Clの
電気陰性度はH＜Clですから、電子はClに偏ります。
塩化水素分子HCは、極性分子です。

水分子は形が折れ線形の構造をしているため
二つのO－H結合の極性は打ち消し合うことなく、分子全体で極性を示します。
同様に三角錐形のアンモニアNH₃も極性分子です。

CO₂だけでなく塩素、 酸素、 メタンなどは無極性分子です。
ただし電気陰性度は希ガスは例外であることを覚えておくことです。

極性分子は基本的に水に溶けやすく無極性分子は溶けない傾向があります。

というわけで、選択肢(4)が適切です。

少し詳しい解説バージョン

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