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演習No.501

問題44

ラベルのはがれた褐色の共栓ガラス瓶にある物質が入っている。その物質について性状を調べたところ下記の通りであった。容器に入っている物質として、適切なものはどれか。

・赤褐色の液体である。
・水やアルコールに溶ける。
・刺激性、腐食性を示すが、燃焼性はない。

	沃化メチル
	塩酸
	ピクリン酸
	メタノール
	臭素

5 解答

解説

選択肢(5)が適切です。

（劇）臭素

【性状】

刺激性の臭気を放って揮発する赤褐色の重い液体で、比重3.12(20℃)、沸点58.8℃。

アルコール、エーテル、水に溶け、ことにブロムカリの水溶液に極めてよく溶ける。

引火性、燃焼性はないが、強い腐食作用をもち、濃塩酸にあうと高熱を発し、また乾草や繊維類のような有機物と接触すると、火を発することがある。

（劇）沃化メチル

【性状】

無色又は淡黄色透明の液体で、凝固点はマイナス66.45℃、沸点は42.5℃である。

エタノール、エーテルに任意の割合に混合する。

水に可溶である。

空気中で光により一部分解して、褐色になる。

冷時水と結合して水化物2CH₃I･H₂Oをつくる。

またメチルアルコールで付加化合物3CH₃I･CH₃OHをつくる。

（劇）塩酸

【性状】

無色透明の液体で、25％以上のものは、湿った空気中で著しく発煙し、刺激臭がある。

工業用として市販のものは30～38％の塩化水素を含有し、やや黄色に着色し、白塩酸と称するものは35～38％で無色、純塩酸は38％以上で無色である。

塩酸は種々の金属を溶解し、水素を発生する。

（劇）ピクリン酸

【性状】

淡黄色の光沢ある小葉状あるいは針状結晶で、純品は無臭であるが、普通品はかすかにニトロベンゾールの臭気を持ち、苦味がある。

冷水には溶けにくいが、熱湯、アルコール、エーテル、ベンゼン、クロロホルムには溶ける。

濃硫酸溶液で黄色を呈し、水で薄めると微黄色となり、さらに薄めると帯緑黄色になる。

水溶性は塩酸で変化しないが、アルカリ溶液では燈黄色となる。

融点は122℃。

発火点は320℃。

徐々に熱すると昇華するが、急熱あるいは衝撃により爆発する。

（劇）メタノール

【性状】

無色透明、動揺しやすい揮発性の液体で、水、エチルアルコール、エーテル、クロロホルム、脂肪、揮発油と随意の割合で混合する。

エチルアルコールに似た臭気をもち、火をつけると容易に燃える。

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