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演習No.004
問題31
ピクリン酸の性状として、適切なものは次のうちどれか。
解説
毒物及び劇物の識別及び取扱方法(実地扱い)
選択肢(5)が適切です。
劇物 ピクリン酸 ただし、爆発薬を除く。
picric acid
C6H2(NO2)3(OH)
別名 トリニトロフェノール(2,4,6-trinitrophenol)
【性状】
淡黄色の光沢のある小葉状あるいは針状結晶で、純品は無臭であるが、普通品はかすかにニトロベゼンゾールの臭気をもち、苦味がある。
冷水には溶けにくいが、熱湯、アルコール、エーテル、ベンゼン、クロロホルムには溶ける。
濃硫酸溶液で黄色を呈し、水でうすめると微黄色となり、さらにうすめると帯緑黄色になる。
水溶液は塩酸で変化しないが、アルカリ溶液で燈黄色となる。
融点は122℃。
発火点は320℃。
徐々に熱すると昇華するが、急熱あるいは衝撃により爆発する。
【鑑識法】
(1)アルコール溶液は、白色の羊毛または絹糸を鮮黄色に染める。
(2)温飽和水溶液は、シアン化カリウム溶液によって暗赤色を呈する。
(3)水溶液にさらし粉を加えて煮沸すると、クロルピクリンの刺激臭を発する。
【貯蔵】
火気に対して安全で隔離された場所に、硫黄、ヨード、ガソリン、アルコール等と離して保管する。
鉄、銅、鉛などの金属容器を使用しないこと。
劇物 ニトロベンゼン(ニトロベンゾール)
ピクリン酸C6H2(NO2)3(OH)とニトロベンゼンC6H5NO2は、構成するニトロ基(-NO2)の数やヒドロキシル基(-OH)の有無に違いがありますが、このように化学式が似ていて、構成元素の種類が一緒の場合などは、性状が似ていることもあります。
したがってピクリン酸はニトロベンゼンの臭気がするものと思われます。
ニトロベンゼンの特徴は、強い苦扁桃様の香気がすることです。
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