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演習No.005
問題29
黄燐に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
解説
選択肢(4)が適切です。
赤燐は無毒です。
毒物 黄燐
yellow phosphorus
化学式 PまたはP4
[性状]
白色又は淡黄色の蠟(ろう)様半透明の結晶性固体でにんにく臭を有する。。
空気中で自然発火する。(暗所では、いわゆるりん光(青白色)を発する。)
光で黒くなる。
水にはほとんど溶けない。
クロロホルム、ベンゼンに溶け、二硫化炭素に溶けやすい。
【性状・運搬編】
常温で白色又は淡黄色のロウ状固体。
直接空気に触れると発火、燃焼し有害な強い刺激臭のある煙霧を発生する。さらに熱により液状となって燃え拡がる。
アルカリ水溶液と反応して自然発火の有毒なホスフィン(りん化水素:PH3)を発生する。
エーテル、ベンゼン、二酸化炭素に溶け易く(融点44.1℃)、水にごくわずか溶ける(15℃で水100gに3×10-4g溶ける)。
[用途]
ガス分析その他の化学反応、赤燐その他の燐化合物の原料、窮鼠剤の原料
[毒性]
黄燐は非常に毒性が強い。
[急性中毒と刺激性]
(吸入した場合)黄燐が燃えて発生する煙霧は鼻、のど、肺を激しく刺激する。
(眼に入った場合)激しい障害を起こす。
[注意事項]
①自然発火性であるので、容器に水を満たして貯蔵し、水で覆い密封して運搬する。
②黄燐の付着したものは、濡れている間は発火しないが乾くと自然発火する。
③保護具は、すき間より黄燐粒子が飛び込まないよう装着する。
[保護具]
保護眼鏡(顔全体を覆うものがよい)
保護手袋(ゴム)
保護長ぐつ(ゴム)
保護衣(耐熱性又はゴム引き)
酸性用防毒マスク
[貯法]
水の中に保存。
冷暗所保存。(空気に触れると発火しやすいので、水中に沈めて瓶に入れ、さらに砂を入れた缶中に固定して冷暗所に貯蔵)
[廃棄方法]
燃焼法
廃ガス水洗設備及び必要があればアフターバーナーを具備した焼却設備で焼却する。
廃ガス水洗設備から発生するリン燐酸含有廃水は消石灰等を加えて中和する。
<備考>
ア 黄燐容器の継ぎ目に少量でも黄燐が残留する場合は完全燃焼に必要な処置を行う。
イ 黄燐を取り扱う作業はすべて水で空気を遮断した状態で行う。
【アルカリ金属】
周期表1族はアルカリ金属といわれ、Li+、Na+、K+のように1価の陽イオンになりやすく、反応性がおおきい。
酸化されやすく、また水と反応するので、金属単体は石油中に貯える。
酸化物の水溶液は強アルカリ性である。
Na2O+H2O→2NaOH
これらの金属の塩はすべて水に溶けやすい。
【ナトリウム・鑑識法】
(1)白金線に試料をつけて、溶融炎で熱し、炎の色をみると黄色になる。
(2)コバルトの色ガラスを通してみれば、吸収されて、この炎は見えなくなる。
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