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毒物劇物取扱者試験問題

問題28

貯蔵方法に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

	ベタナフトールは、空気や光線にふれると青変するため、遮光して保存する。
	弗化水素酸は、強い腐食性があるため、ガラス製の遮光瓶に保存する。
	ナトリウムは、空気と激しく反応するため、水中で保存する。
	アクロレインは、安定剤を加え、空気を遮断して貯蔵する。

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解　 説

選択肢(4)が適切です。

毒物劇物の貯蔵に関する問題です。

官報公示名	化学物質（例）	CAS	分類	規定
ベタナフトール	ベタナフトール	135-19-3	劇物	法78,指92
弗化水素	フッ化水素酸	7664-39-3	毒物	法22,指24
ナトリウム	ナトリウム	7440-23-5	劇物	法62
アクロレイン	アクロレイン	107-02-8	劇物	法2

(1)ベタナフトールは、空気や光線にふれると青変するため、遮光して保存する。

これは不適切です。

正しくは、以下の通りです。

ベタナフトールは、空気や光線にふれると赤変するため、遮光して保存する。

ベタナフトールは、無色～白色の結晶です。
石炭酸臭、灼くような味を有します。
水に溶けにくく、熱湯に可溶。
アルコール、エーテル、クロロホルムに可溶。
空気や光線により赤変します。
塩化第二鉄溶液を加えると類緑色を呈し、のち白色コロイド状の沈殿を生じます。

(2)弗化水素酸は、強い腐食性があるため、ガラス製の遮光瓶に保存する。

これも不適切です。

正しくは、以下の通りです。

弗化水素酸の貯蔵には、銅、鉄、コンクリートまたは木製のタンクにゴム、鉛、ポリ塩化ビニルあるいはポリエチレンのライニングを施したものを用いる。

弗化水素酸は弗化水素の水溶液で無色またはわずかに着色した透明の液体で特有の刺激臭があります。
不燃性で濃厚なものは空気中で白煙を生じ珪酸塩に対して腐食作用を呈します。
酸性反応を呈してほとんどの金属を溶解します。

(3)ナトリウムは、空気と激しく反応するため、水中で保存する。
これも不適切です。

正しくは、以下の通りです。

ナトリウムは、空気中にそのまま蓄えることができないので、通常石油中に蓄える。

(4)アクロレインは、安定剤を加え、空気を遮断して貯蔵する。

これは適切です。

物質名	アクロレイン Acrolein
別の呼称	アクリルアルデヒド Acrylaldehyde、プロペナール、プロペンアルデヒド
分子式	C3H4O 　　CH2＝CHCHO
分子量	56.06
構造式
特徴	アクロレインは、アルデヒドの一種で刺激臭を有する化合物。 医薬用外劇物に指定されており、肺や目に障害をもたらすことが知られています。
性状	刺激臭のある黄色～無色の液体。 不安定で重合し易く（特に光、アルカリ、強酸の存在下）、樹脂状の固体となる。 引火性が高い。
用途	本物質の主な用途は、医薬品(メチオニンなど)、繊維処理剤、アリルアルコール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントルオールおよび架橋結合剤などの原料になるほか、コロイド状オスミウム、ロジウム、ルテニウムの製造、溶剤、抽出に用いるとされている15
貯蔵法	火気厳禁。 非常に反応性に富む物質なので、重合防止のためハイドロキノンを加え空気を遮断して貯蔵。

ヒドロキノン（hydroquinone）
C₆H₄(OH)₂


キノンを亜硫酸で還元して得られる無色の結晶。
還元性が強く、写真現像剤や分析試薬などに用いられる。

アクロレイン過去問題

アクロレイン・性状

茨城県・用途

茨城県・保存・フッ化水素酸

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