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演習No.502
問題34
沃素に関する次の記述の正誤についての組み合わせとして、適切なものはどれか。
A:澱粉にあうと藍色を呈し、これを冷やすと脱色する。
B:沃化水素酸水溶液には全く溶けない。
C:蒸気を吸入すると、めまいや頭痛を伴い一種の酩酊を起こす。
解説
選択肢(5)が適切です。
A:澱粉にあうと藍色を呈し、これを冷やすと脱色する。➡誤
冷やすと➡熱すると
B:沃化水素酸水溶液には全く溶けない。➡誤
全く溶けない➡溶けやすい
C:蒸気を吸入すると、めまいや頭痛を伴い一種の酩酊を起こす。➡正
漢字が難しいですね。
紫菫色は、”しきんしょく”
菫色は、”すみれいろ”
ついでに、稜柱状は、”りょうちゅうじょう”
劇物 沃素
iodine
I2
【性状】
黒灰色、金属様の光沢ある稜板状結晶。
熱すると紫菫色の蒸気を発生するが、常温でも多少不快な臭気をもつ蒸気を放って揮散する。
水には黄褐色を呈して、ごくわずか溶けるが、ヨードカリあるいはヨード(沃化)水素酸を含有する水には溶けやすい。
アルコール、エーテルには赤褐色を呈して溶け、クロロホルム、二硫化炭素には紫色を呈して溶ける。
酸化、殺菌作用は、塩素や臭素に劣る。
[鑑識法]
澱粉にあうと藍色(ヨード澱粉)を呈し、これを熱すると退色し、冷えると再び藍色を現し、さらにチオ硫酸ソーダの溶液にあうと脱色する。
[貯法]
容器は気密容器を用い、通風よい冷所にたくわえる。
腐食されやすい金属、濃塩酸、アンモニア水、アンモニアガス、テレビン油などは、なるべく離しておく。
[用途]
ヨード化合物の製造、分析用、アニリン色素の製造、写真用などに使用される。(消毒刺激剤として医薬用にも用いられる。)
[毒性]
ヨードの作用は、塩素や臭素のように激しくはないが、金属に触れるとこれを腐食する。
皮膚に触れると褐色に染め、その揮散する蒸気を吸入すると、めまいや頭痛を伴う一種の酩酊(いわゆるヨード熱)を起こす。
そのほか、鼻感冒、気管支炎、結膜炎等を起こすことがある。
慢性中毒としては、消化器障害を起こし、栄養不良、貧血、紅斑及び睾丸の萎縮を起こす。
したがって、皮膚その他を汚染したときは、チオ硫酸ソーダの溶液で洗浄し、次に水洗いするとよく、もし中毒を起こしたときは、応急手当てとして澱粉糊液に煆製(かせい)マグネシウムを混和したものを飲用するといよい。
[その他]
アンモニア、テレビン油などに混ぜると、温度の上昇などによって爆発するから危険である。
チリ硝石の母液から製造されたヨードには、ヨウ化シアンが夾雑していることがあるから、十分に注意する必要がある。
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