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演習No.503

問題22

両性元素として適切なものは次のうちどれか。

	アルミニウム
	マグネシウム
	銅
	銀
	カルシウム

化学・無機化学・典型金属元素からの出題です。

選択肢(1)が適切です。

Zn、Al、Sn、Pbは酸とも塩基と反応する両性元素です。

一般に金属は「塩基性」であり、イオン化傾向が水素よりも小さい金属（金、銀、銅、白金、水銀）を除くすべての金属は酸に溶けて水素を発生します。

ただし、金属の中で両性元素と呼ばれる次の4つの金属は酸だけでなく強塩基の水溶液とも反応し、水素を発生して溶解します。

また両性元素の酸化物や水酸化物も酸と強塩基の両方に反応して溶けます。

覚え方

酸にも塩基にも あ(Zn)あ(Al)すん(Sn)なり(Pb) 解ける

アルミニウムとその化合物

単体

原子は3個の価電子をもち、3価の陽イオンになる。

銀白色の軽金属、電気・熱の良導体、濃硝酸で不働態

両性元素

2Al+ 6HCl→2AlCl₃+3H2↑

2Al+2NaOH+6H₂O→2Na[Al(OH)₄)]+3H₂↑

　　　　　　　　　　　　　　　テトラヒドロキシドアルミン酸ナトリウム

製法

ボーキサイトを生成して得たAl₂O₃(アルミナ)を氷晶石Na₃AlF₆の融解液に少しずつ加えて融解塩電解する

酸化アルミニウムAl₂O₃

白色粉末、融点が高い。両性酸化物で、酸・強塩基と反応して溶ける。

水酸化アルミニウムAl(OH)₃

(生成)Al³⁺+3OH^-→Al(OH)₃ 白色ゲル状沈殿

両性水酸化物で、酸や過剰のNaOH水溶液に溶けるが、NH₃水には不溶

亜鉛とその化合物

単体

原子は2個の価電子をもち、2価の陽イオンになる。

青白色の重金属、低融点、トタン（+Feめっき）、黄銅（+Cu合金）

両性元素

Zn+2NaOH+2H₂O→Na₂[Zn(OH)₄]+H₂↑

　　　　　　　　　　　　　　テトラヒドロキシド亜鉛(Ⅱ)酸ナトリウム

酸化亜鉛ZnO

白色粉末（亜鉛華）。両性酸化物で、酸や強塩基に溶ける

水酸化亜鉛Zn(OH)₂

(生成)Zn²⁺+2OH^-→Zn(OH)₂白ゲル状沈殿

両性酸化物で酸や過剰のNaOH水溶液、過剰のNH₃水にも溶ける

Zn(OH)₂+2NaOH→Na₂[Zn(OH)₄]

Zn(OH)₂+4NH₃→[Zn(NH₃)₄]²⁺+2OH^-

　　　　　　　　　　　　テトラアンミン亜鉛(Ⅱ)酸イオン

スズSn

14族、銀白色の重金属、低融点、両性元素、ブリキ（+Feめっき）、青銅(+Cu合金)

SnCl₂塩化スズ(Ⅱ)は還元性が強い(Sn²⁺→Sn⁴⁺+3e^-のため)

鉛Pb

14族、灰白色の重金属、密度大(11.4g/cm³)。軟らかい、ハンダ(+Sn合金)、両性元素、放射線を遮蔽する。

水に不溶性の沈殿を作りやすい

PbCl₂(白)、PbSO₄、PbS(黒)、PbCrO₄(黄)

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