毒物劇物取扱者.com

問題34

カリウムの貯蔵方法として、適切なものは次のうちどれか。

毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法（一般）からの出題です。

選択肢(5)が適切です。

カリウム potassium 劇物



性状
金属光沢をもつ銀白色の金属。
常温では蠟（ろう）のような強度をもっているが、低温ではもろい。
性質はナトリウムと似ているが、さらに反応性に富む。
水に入れると、水素を生じ、常温では発火する。
空気中では酸化され、すみやかに光沢を失い、ときとして発火することがある。

鑑識法
①白金線に試料をつけて、溶融炎で熱し、炎の色をみると青紫色となる。
②上の炎は、コバルトの色ガラスをとおしてみると紅紫色となる。

貯蔵
空気中にそのまま貯えることはできないので、ふつう、石油中に貯える。
しかし、石油も酸素を吸収するから、長時間のうちにちは表面に酸化物の白い皮を生ずる。
水分の混入、下記を避け貯蔵する。

注意事項
①燃焼すると生成した酸化カリウムが空気中で水酸化カリウムになり、皮膚、鼻、のどを刺激するので注意する。
②ナトリウムに比較して反応が激しいので取扱いに注意する。
③水、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素と激しく反応するのでこれらと接触させない。

(1)ガラスを腐食するので、ガラスは避けてポリエチレン容器に貯蔵する。

フッ化水素酸[毒]です。

(2)空気に触れると発火しやすいので、容器に入れた水の中に沈めて貯蔵する。

黄リン[毒]です。

(3)反応性に富む物質なので、火気厳禁とし、安定剤を加え空気を遮断して貯蔵する。

アクロレイン[劇]です。

(4)空気中の二酸化炭素と水分を吸収しやすいので、ガラス容器に密栓をして貯蔵する。

水酸化ナトリウム[劇]または水酸化カリウム[劇]です。

密閉保存（二酸化炭素と水を強く吸収する）。素手で触れない。

上の4問すべて定番問題です。

復習

アルカリ金属

周期表第I族元素のうち、リチウムLi、ナトリウムNa、カリウムK、ルビジウムRb、セシウムCs、フランシウムFrの6金属元素をアルカリ金属といいます。

いずれも元素中最も電気的に陽性で、1価の陽イオンとなりやすい。

一般に融点が低く、柔らかく、軽く、金属光沢があります。

きわめて反応性に富み、空気中ではそのまま貯えることができないので、石油、鉱油中に貯えます。

常温で水を分解して水素を発生し、水酸化物となりますが、この水酸化物は最強の塩基です。

演習No.003 問題39

演習No.001 問題28

前の問題　次の問題