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毒物劇物取扱者試験問題
演習No.006
問題 11
解 説
出題の狙い
この問題は、「価電子の数」という、原子が化学反応をするときに最も重要となる電子の数を理解しているかを確認するものです。
化学の世界では、原子の周りを回っている電子のうち、一番外側の軌道を回っていて、他の原子とくっついたり離れたり(=化学反応)するときに使う電子を「価電子」と呼びます。
選択肢 (4) が適切です。
アルミニウム原子($_{13}\text{Al}$)の価電子の数として適切なものは、(4)3個 です。
回答への考え方(原子の構造と価電子)
アルミニウム原子($_{13}\text{Al}$)を考えるために、まずは原子の基本的なルールから確認しましょう。
1. 原子番号と電子の数
アルミニウムの記号「$_{13}\text{Al}$」の左下の数字「13」は、原子番号です。
- 原子番号(13)= 陽子の数(13個)
- 原子が電気的に中性なとき、陽子の数(プラスの電気)= 電子の総数(13個)
つまり、アルミニウム原子は、合計13個の電子を持っています。
2. 電子の配置(電子殻)
電子は原子核の周りをバラバラに回っているのではなく、特定の「電子殻(電子の通り道)」に決まった順番で入っていきます。
| 電子殻の記号 | 原子核に近い順 | 最大収容数 |
| K殻 | 1番目 | 2個 |
| L殻 | 2番目 | 8個 |
| M殻 | 3番目 | 18個 |
アルミニウムの13個の電子を、このルールに従って順番に入れていくと...
- K殻に、まず2個の電子が入る。(残り $13 - 2 = 11$ 個)
- 殻に、次に8個の電子が入る。(残り $11 - 8 = 3$ 個)
M殻に、最後に3個の電子が入る。(残りは 0 個)
$2n^{2}$ という式は、内側から数えてn番目の電子殻(電子殻)に収容できる電子の最大数を表し、K殻(n=1)は2個、L殻(n=2)は8個、M殻(n=3)は18個、N殻(n=4)は32個となります。
3. 価電子の決定
電子が配置された結果、一番外側の軌道(電子殻)であるM殻に、3個の電子が入りました。
この一番外側の電子の数が価電子の数です。
したがって、アルミニウムの価電子の数は 3個 です。
アルミニウムの特徴
毒物劇物取扱者試験でアルミニウムやアルミニウム化合物について問われる際に、特に知っておくべき特徴や知識をまとめました。
1. 毒劇法上の位置づけ
- アルミニウム金属そのもの:
毒物でも劇物でもありません。(非常に安定しているため) - 注意が必要な化合物:
アルミニウムの化合物の中には劇物に指定されているものがあります(例:塩化アルミニウム$\text{AlCl}_3$など)。金属そのものよりも、水溶液や粉末の取り扱いに注意が必要です。
2. 化学的な特徴(両性元素)
アルミニウムは、酸(例:塩酸)にも、強塩基(例:水酸化ナトリウム)にも反応して溶ける「両性元素」です。
3. 特殊な危険性(水との反応)
アルミニウムの粉末は、非常に細かいため、水と激しく反応し、可燃性の水素ガスを大量に発生させます。 これは、消防法上の危険物(第3類:自然発火性物質及び水禁性物質)にも指定されるほどの危険性です。- 毒物劇物の貯蔵や廃棄の問題で、「アルミニウム粉末を水で濡らさない」「水のかからない場所に貯蔵する」というルールが重要になるのはこのためです。
まとめ総括
この問題は、原子の最も基本的な構造に関するものでした。
- アルミニウム($_{13}\text{Al}$)は、原子番号13なので、合計13個の電子を持ちます。
- 電子は内側から「2個→8個→...」というルールで配置され、K殻に2個、L殻に8個、M殻に3個入ります。
- 一番外側のM殻に入っている電子の数(3個)が価電子です。
したがって、正解は (4)3個 です。
毒劇物試験では、毒性だけでなく、化学的な性質(特に水や熱との反応)が安全な取り扱いの基準に直結します。この価電子の数が、アルミニウムがなぜ「$3+$のイオン($\text{Al}^{3+}$)」になりやすいかという化学の理解につながりますので、しっかり復習しておきましょう!


K殻・L殻・M殻と、s軌道・p軌道・d軌道で考えてみよう
アルミニウム(原子番号13)が「価電子を3つ持つ」と言える理由を、K殻・L殻・M殻と、s軌道・p軌道・d軌道を使って整理してみましょう。
🔬 アルミニウム($_{13}\text{Al}$)の電子配置を殻と軌道で見る
1. 🌟 原子番号13 → 電子が13個
アルミニウム原子は、陽子が13個なので、電子も13個あります。
2. 🧩 電子は「殻(K,L,M…)」と「軌道(s,p,d…)」に入る
電子は次のルールに従って内側から順に入ります。
- K殻(n=1):1s
- L殻(n=2):2s, 2p
- M殻(n=3):3s, 3p, 3d(ただし3dはもっと後で埋まる)
3. 🧪 アルミニウムの電子配置を順に埋めていく
■ K殻(n=1)
- 1s軌道:最大2個
→ 2個入る
残り 11個
■ L殻(n=2)
- 2s軌道:最大2個
- 2p軌道:最大6個
→ 合計 8個入る
残り 3個
■ M殻(n=3)
残った3個を入れる。
- 3s軌道:最大2個 → 2個入る
- 3p軌道:最大6個 → 1個入る
- 3d軌道:もっと後で埋まるので今回は使わない
4. ✨ 電子配置のまとめ
軌道表記で書くと:
\[ 1s^2\, 2s^2\, 2p^6\, 3s^2\, 3p^1 \]
殻でまとめると:
- K殻:2個
- L殻:8個
- M殻:3個(=3s² 3p¹)
5. 🌈 価電子は「最外殻の電子」
アルミニウムの最外殻は M殻(n=3) です。
M殻にある電子は:
- 3s軌道に 2個
- 3p軌道に 1個
合計 3個
🎉 結論:アルミニウムの価電子は3個
最外殻(M殻)に
3s² 3p¹ → 合計3個
の電子があるため、アルミニウムの価電子数は 3 になります。
例えばM殻の軌道の例です。

s軌道は各殻にあります。
M殻のs軌道を3sと表しています。
3s軌道には、上向きスピン、下向きスピンという格好で同じ軌道に2個の電子が存在し得るので3s2と表します。

M殻のp軌道を3pと表しています。
アルミニウムの最後の電子がこれらのどこかに入ります。
これを3p1と表しています。
L殻のp軌道では、2pと表し、3つの軌道 2px、2px、2pzがあります。
3つの各軌道に上向きスピン、下向きスピンという格好で同じ軌道に2個の電子が存在し得るので合計6個の電子が入ります。
L殻の2s軌道に2個の電子が入ります。
それで、L殻の合計電子数は2+6=8個になります。
ここが一番理解しがたいところですね。

今回はM殻のd軌道は使いません。電子が存在していませんので。
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