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毒物劇物取扱者試験問題
演習No.006
問題 24
解 説
今回のテーマは、モノフルオール酢酸ナトリウム\(\text{CH}_{2}\text{FCOONa}\)に関する問題です。
出題のねらい:モノフルオール酢酸ナトリウムの分類と溶解性(特定毒物)
この問題は、非常に危険なモノフルオール酢酸ナトリウムについて、以下の重要な知識を確認するためのものです。
- 毒物・劇物の分類:この物質が特定毒物に分類されることを理解しているか。
- 物理的性質:色や溶解性(水と有機溶媒の相性)を正確に把握しているか。
毒物・劇物の分類
- モノフルオール酢酸ナトリウムは、その極めて高い毒性から、特定毒物に指定されています。
- 特定毒物:毒物の中でも特に毒性が強く、規制が最も厳しく定められている物質です。
(1) 暗緑色の結晶である。
選択肢 (1)は、不適切です。
- 理由:モノフルオール酢酸ナトリウムは、通常、無色または白色の結晶性の粉末です。暗緑色(濃い緑色)という記述は間違いです。
- 毒物・劇物の多くは無色や白色のものが多いため、特定の色の記述があれば、それがその物質の重要な特徴と結びついているかを確認しましょう。
(2) 劇物に分類される。
選択肢 (2)は、不適切です。
- 理由:この物質は、劇物(毒物より危険度が低い)ではなく、最も危険で規制が厳しい特定毒物に分類されています。
- 毒物 $>$ 劇物 という危険度の序列を覚えておく必要があります。この物質の毒性は非常に高く、最上位の特定毒物です。
(3) 有機溶媒に溶けない。
選択肢 (3)は、適切です。
- 理由:この記述が適切とされるのは、化学の基本的な溶解の原理に基づいています。
- 化学の原理:「似たもの同士は溶け合う(同族溶解の原理)」
モノフルオール酢酸ナトリウムは、プラスの電気を帯びたナトリウムイオン ($\text{Na}^+$) と、マイナスの電気を帯びたモノフルオール酢酸イオンが結びついたイオン性の化合物です。 イオン性の物質は極性(電気の偏り)が非常に強いです。有機溶媒(例:ヘキサン、ベンゼンなど)の多くは、電気の偏りがほとんどない無極性(または極性の弱い)分子です。
- 結論:
極性の強いイオン性の物質は、極性の弱い有機溶媒とは相性が非常に悪く、「ほとんど溶けない」という性質を持ちます。 この「ほとんど溶けない」という性質を、毒物劇物取扱者試験問題ではモノフルオール酢酸ナトリウムは、有機溶媒に「溶けない」 と簡潔に表現しているため、これは適切な記述と判断されます。 - ちなみにモノフルオール酢酸ナトリウムが水に溶けるのは、水が極性溶媒であり、モノフルオール酢酸ナトリウムも極性を持つイオン性化合物だからです。
- 化学の原理:「似たもの同士は溶け合う(同族溶解の原理)」
毒物劇物取扱者試験、特に特定毒物については、市販の試験対策テキストや過去問題集に掲載されている性質をそのまま暗記することが最優先です。一般的な化学的推論は試験では通用しないことが多いため、注意が必要です。この「モノフルオール酢酸ナトリウムの有機溶媒への不溶(難溶)性」は、その代表例と言えるでしょう。
(4) 主に釉薬として用いられる。
選択肢 (4)は、不適切です。
- 理由:モノフルオール酢酸ナトリウムの主な用途は、その毒性を利用した殺鼠剤、ネズミ駆除剤)です。
- 釉薬(陶磁器のコーティング剤)としての用途が全くないわけではありませんが、毒劇物試験で問われるこの物質の最も重要な用途は殺鼠剤であり、「主に」釉薬として用いられるという記述は、この物質の利用実態を正確に表していないため、不適切と判断されます。
まとめ総括
この問題の適切な記述は、選択肢 (3) 有機溶媒に溶けない です。
【モノフルオール酢酸ナトリウムの最重要ポイント】
- 分類:特定毒物(最上級の危険度)。
- 溶解性:イオン性が強い $\rightarrow$ 水にはよく溶けるが、有機溶媒にはほとんど溶けない。
- 状態・色:白色の結晶性粉末。
- 用途:主に殺鼠剤。

モノフルオール酢酸ナトリウムが“定番中の定番”として出題される理由
モノフルオール酢酸ナトリウム(MFA-Na)が毒物劇物取扱者試験で“超頻出”になる理由は、水酸化ナトリウムとは別の意味で 「試験の本質を象徴する物質」だから です。
実は、この物質は毒劇法の世界でかなり特別な立ち位置にあります。
🧪 1. 「特定毒物」に指定される数少ない有機化合物の代表だから
毒物劇物取扱者試験では、
- 特定毒物(特に急性毒性が強いもの)を確実に覚えているか
が重要視されます。
モノフルオール酢酸ナトリウムは、
- 急性毒性が非常に強い
- 代謝阻害による特徴的な毒性機序を持つ
- 少量で致死的
という理由で 「特定毒物」 に指定されています。
特定毒物指定の有機化合物は数が限られているため、
出題しやすく、覚えているかを確認しやすい のです。
⚙ 2. 毒性のメカニズムが“教科書的”で問いやすい
モノフルオール酢酸は体内で「フルオロクエン酸」を生成し、
クエン酸回路(TCAサイクル)を阻害 します。
この“典型的な代謝阻害”は、毒性学の基本として非常に扱いやすいテーマです。
試験では、
- 作用機序
- 症状
- 応急処置
- 法規上の扱い
など、幅広く出題できます。
📦 3. 保管・表示・取り扱いの典型例として使いやすい
モノフルオール酢酸ナトリウムは特定毒物なので、
- 赤地に白枠の「毒物」表示
- 鍵付き保管
- 取り扱いの厳格な規制
など、毒物の基本ルールを確認するのに最適な教材 です。
ちなみに、厚労省の資料でも、特定毒物の表示は 毒物と同じ「医薬用外毒物」表示 を行うと明記されています。
試験作成者からすると、
「これを出せば受験者の基礎理解が一気にわかる」
という便利な物質です。
🧬 4. 名前が似ている物質が多く、混同しやすい
受験者が混乱しやすい物質は、試験問題として非常に作りやすいです。
例:
- モノフルオール酢酸(原体(酸))
- モノフルオール酢酸の塩類
- モノフルオール酢酸ナトリウム(塩(実際の薬剤))
- フルオロ酢酸: 試験対策としては「モノフルオール酢酸」の別名
- フッ化ナトリウム(劇物:八十五の十五)
こうした“似て非なる物質”を区別できるかは、
毒劇法の理解度を測る良い指標になります。
🎯 まとめ:MFA-Naは「特定毒物の代表例」として最適だから
モノフルオール酢酸ナトリウムが頻出する理由をまとめると、
- 特定毒物指定の代表例
- 毒性機序が典型的で問いやすい
- 法規の理解を確認しやすい
- 似た物質が多く、区別問題が作りやすい
つまり、試験の出題者にとって“使い勝手が良すぎる物質”だからなのです。
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