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毒物劇物取扱者試験問題
演習No.006
問題 21
解 説
今回のテーマは、塩素($\text{Cl}_2$)[劇物]という非常に重要な毒物の性質と取り扱いに関する問題です。
塩素は身近なところでも使われることが多いので、特性をしっかり覚えておきましょう。
出題のねらい:塩素の基本的な化学的性質と危険性の理解
この問題は、毒物である塩素($\text{Cl}_2$)について、以下の3点を確認するためのものです。
- 化学的性質:反応性の強さ(選択肢 (1))
- 物理的性質と毒性:常温での状態、色、皮膚への影響(選択肢 (2) (3))
- 安全な取り扱い:適切な廃棄方法(選択肢 (4))
(1) 反応性が弱く、水素や炭化水素と反応しない。
選択肢 (1)が、不適切です。
- 理由:塩素 ($\text{Cl}_2$) は、非常に反応性が強い物質(酸化力が強い)です。
- 特に水素 ($\text{H}_2$) や炭化水素(メタン、プロパンなど)とは光や熱の存在下で激しく反応し、爆発的な反応を起こすこともあります。
- 塩素の反応性の強さから、水道水の殺菌・消毒や、多くの化学工業製品の原料として利用されています。
塩素の「反応性が弱い」という記述は、多くの反応で利用される塩素の特性と矛盾するため、これが不適切な記述だと判断できます。
(2) 常温では黄緑色の気体である。
選択肢 (2)は、適切です。
理由:塩素 ($\text{Cl}_2$) は、常温(普通の温度)では黄緑色(うすい黄緑色)の気体です。この色は、塩素ガスの最も特徴的な性質の一つです。 - 塩素は空気より重い(密度が約2.5倍)ため、漏れると低い場所に溜まりやすいという特徴もあります。
(3) 気体は皮膚を激しく侵し、液体は直接触れるとしもやけ(凍傷)を起こす。
選択肢 (3)は、適切です。
- 理由:
- 気体:塩素は強力な刺激性があり、皮膚や粘膜(目や鼻、気道など)に触れると細胞を激しく攻撃(侵す)し、炎症やただれを起こします。
液体:液体塩素は沸点(液体から気体になる温度)がマイナス約 $\boldsymbol{34^\circ\text{C}}$ と非常に低いです。そのため、これに直接触れると、体温で急激に蒸発する際に周囲の熱を奪い、凍傷(しもやけのように組織が凍ること)を引き起こします。
(4) 廃棄する場合は、多量のアルカリ水溶液中に吹き込んだ後、多量の水で希釈して処理する。
選択肢 (4)は、適切です。
- 理由:塩素ガスは毒性が強いため、そのまま大気中に放出してはいけません。
- 塩素 ($\text{Cl}_2$) は酸性の性質を持つため、廃棄する際はアルカリ性の水溶液(水酸化ナトリウムなど)と反応させて、毒性の低い物質(次亜塩素酸ナトリウムなど)に変えてから処理するのが安全かつ適切な方法です。
- $\text{Cl}_2 + 2\text{NaOH} \longrightarrow \text{NaClO} + \text{NaCl} + \text{H}_2\text{O}$
- この後、多量の水で薄めて安全に排水します。
\(\text{NaClO}\) 次亜塩素酸ナトリウム:
ばい菌(細菌やウイルス)を死滅させる水道水の消毒、プールの消毒、食品の殺菌等の消毒剤、殺菌料などに含まれる成分
まとめ総括
この問題の不適切な記述は、選択肢 (1) です。
【塩素に関する最重要ポイント】
色と状態:常温では黄緑色の気体で、空気より重い。 反応性:非常に反応性が強い(酸化力が強い)ため、水素などと爆発的に反応する。 廃棄方法:毒性をなくすために、アルカリ水溶液で中和・分解してから処理する。

塩素はなぜ定番問題?
塩素($\ce{Cl₂}$)が毒物劇物取扱者試験で“定番中の定番”として出題されるのには、きちんとした理由があります。
むしろ、塩素は 「出題しない理由がない物質」 と言えるほど、試験の目的と完全に一致している物質といえます。
以下に、なぜ塩素が毎年のように出題されるのかを体系的にまとめます。
🧪 1. 塩素は「劇物」の代表例だから
塩素は毒劇法で 劇物 に指定されています。
- 強い刺激性
- 腐食性
- 吸入すると呼吸器障害
- 水と反応して塩酸・次亜塩素酸を生成
こうした典型的な危険性を持つため、
劇物の基本を理解しているかを確認するのに最適な物質 です。
🏭 2. 工業・生活の両方で極めて使用頻度が高い
塩素は化学工業の基盤物質であり、日常生活にも深く関わっています。
- 水道水の消毒
- 漂白剤の原料
- PVC(塩ビ)製造
- 殺菌剤
- プールの消毒
つまり、身近にありながら危険性も高い物質 であり、試験で扱う意義が大きいのです。
🌫 3. 性状が“教科書的”で問題が作りやすい
塩素は性状が非常に特徴的で、試験問題として扱いやすい物質です。
- 黄緑色の気体
- 刺激臭
- 空気より重い
- 水に溶けて塩酸+次亜塩素酸
- 還元剤を酸化する
- 金属を腐食する
これらは 暗記すべき劇物の性状の典型例 であり、出題者にとっても受験者にとっても扱いやすいテーマです。
⚠ 4. 事故例が多く、実務上の重要性が高い
塩素は実際の化学工場やプール施設などで事故が起こりやすい物質です。
- 漂白剤と酸性洗剤の混合による塩素ガス発生
- 塩素ボンベの漏洩
- プールの薬剤投入ミス
こうした事故が現実に多いため、
安全管理の観点からも必ず押さえるべき物質 として扱われます。
📦 5. 法規・応急処置の典型例として使いやすい
塩素は法規面でも応急処置でも、典型的な例として扱われます。
- 劇物表示の基本例
- 換気・漏洩時の対応
- 吸入時の応急処置
- 保管方法(冷暗所・密閉・腐食性注意)
つまり、塩素を問うだけで、法規・性状・危険性・応急処置の理解を一気に確認できる のです。
🎯 まとめ:塩素は“試験の目的に最も合致する劇物”
塩素が頻出する理由は次の通りです。
- 劇物の代表例
- 性状が典型的で覚えやすい
- 工業・生活で使用頻度が高い
- 事故例が多く、安全管理上重要
- 法規・応急処置の理解を確認しやすい
つまり、塩素は 毒物劇物取扱者試験の教材として最適な物質 といえます。
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