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毒物劇物取扱者試験問題
性状 アクリルアミド
問題
アクリルアミドの性状等に関する記述のうち、適切なものは次のうちどれか。
オリジナル問題
解 説
(1)酢酸に似た刺激臭ある液体。水と混合する。冬期は凝固する(12℃)。高温で重合しやすく防止剤を配合する。
選択肢(1)は不適切です。
これは、アクリル酸の性状です。
(2)刺激臭あるある無色の蒸発しやすい液体。大多数の有機溶媒と混合し水に溶ける。合成ゴムや構成樹脂の原料である。
選択肢(2)も不適切です。
これは、アクリルニトリルの性状です。
(3)無色の結晶。水、アルコール、エーテル、クロロホルムに可溶。土木工事用の土質安定剤として用いられる。
選択肢(3)が適切です。
アクリルアミドは、無色の結晶で水、アルコール、エーテル、クロロホルムに可溶。土木工事用の土質安定剤として用いられる。
(4)無色~帯黄色の液体。刺激臭を有する。引火性あり。熱、炎に触れると分解し、毒性の高い煙を発生する。水に可溶。エーテルに溶解。
選択肢(4)は不適切です。
これはアクロレインの性状です。
(5)刺激臭のある無色の結晶又は液体。融点が16℃のため冬期は結晶、夏期には液体になる。日光や加熱により重合して激しく発熱する。また、強い腐食性がある。
選択肢(5)は不適切です。
これはメタクリル酸の性状です。
アクリルアミド[劇] Acrylamide
$\ce{CH2=CHCONH2}$
別名 アクリル酸アミド
【性状】
無色の結晶。
水に易溶。
エタノール、エーテル、クロロホルムに可溶。土木工事用の土質安定剤として用いられる。
【用途】★★
土木工事用の土質安定剤。水処理剤、紙力増強剤、接着剤等に用いられるポリアクリルアミドの原料。
【過去問題】
土木工事用の土質安定剤
【毒性】
高濃度のアクリルアミドを連続投与すると、全身の振戦、四肢麻酔、衰弱などをきたす。
【注意事項】
直射日光や高温にさらされると重合・分解などを起こし、アンモニア等を生成する。
IUPAC命名法 2-propenamide
示性式 $\ce{CH2=CHCONH2}$
長期又は反復ばく露による神経系、精巣の障害
$\ce{-NH2} \hspace{4pt}$ アミド(amido)
アミド基 $\ce{-CO-NH2}$
分子式$\ce{C3H8}$ プロパン propane
プロピル基 $\ce{CH3CH2CH}$
$\ce{CH3CH=CH2}$ 又は $\ce{ CH2=CH-CH3}$プロペン propene プロピレン
上の$\ce{CH3}$がアミド基 $\ce{-CO-NH2}$に置き換わったもの
お名前について。
アルカン(単結合) alkane を先頭で用いると $-yl$ イルとなります。
アルケン(二重結合) alkene を先頭で用いると $-enyl$ エニルとなります。
アルキン(三重結合) alkyne を先頭で用いると $-ynyl$ イニルとなります。
アミド基は、先頭にあれば”カルバモイル”、後ろに付けば”アミド”と読みます。
アミノ基は、先頭にあれば”アミノ”、後ろに付けば”アミン”と読みます。
アクリルの”リル”は、アルケン・二重結合を接頭語で用い アクリ+イエニルでアクリル
かなと覚えるようにしています。(本当のことはわかりません)
余談
フライドポテトやポテトチップス、トーストのように、炭水化物を含む食品を120度以上の高温で調理したものを食べるとがんの発症リスクが高まると、欧州食品安全機関(EFSA)が発表しました。
有害化学物質のひとつが「アクリルアミド」です。
アクリルアミドは、フライドポテト、ポテトチップス、カリカリに焼いたトースト、ビスケット、クラッカーなど穀類を原材料とする焼き菓子など、多くの食品に含まれています。
市販の加工食品だけでなく、家庭で加熱調理する際にも生成されます。
今後生活においても注視すべき劇物です。
アクリル酸[劇] Acrylic acid
$\ce{CH2=CHCOOH}$
【性状】
酢酸に似た刺激臭を有する液体。
引火点68℃。←性状情報が少ない場合、引火点も出題
水と混合する。
【用途】
酢酸ビニル等他のモノマーと共重合させたものは、不織布バインダー、フロッキー加工用バインダー、繊維の改質剤など。
ポリアクリル酸塩類は、高吸水性樹脂、増粘剤、凝集剤など。
【注意事項】
直射日光や高温にさらされると重合・分解等を起こし、アンモニア等を生成する。
吸入した場合:咳、咽頭痛、息切れ、灼熱感、息苦しさ、腐食性、肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。
劇物 (但し、10%を超えて含有するもの)
カルボン酸のひとつで、不飽和結合が1ヶ所(1価)の不飽和脂肪酸。
ビニル基を持つのでビニールの一つでもある。
分子式: $\ce{C3H4O2}$
示性式: $\ce{CH2=CHCOOH}$
$\ce{CH2=CHCOOH}$はビニル基$ \hspace{4pt} \ce{CH2=CH-}$ にカルボン酸 $\ce{R-COOH} \hspace{4pt} $がつくことが特徴的といえます。
IUPAC命名法では、2-プロペン酸(2-propenoic acid)
$\ce{CH2=CHCOOH}$
$\ce{CH2=CH-CH3}$プロペン propene プロピレン
$\ce{-COOH}$ カルボキシル基
常温常圧では無色透明の液体で、酢酸に似た特有の刺激臭がある。
水に容易に可溶。
紙おむつや生理用品の吸水性ポリマー等として使われるアクリルポリマーの原料であるほか、アクリル酸エステルの原料でもある。
アクリル酸は重合しやすく、重合するとアクリルポリマーとなるが、アクリル酸として市販されているものには重合防止剤が添加されている。
甚だしい吸入の場合、肺水腫(肺胞内に液体成分が貯留すること)を起こし呼吸困難に陥ることもある。
アクリルニトリル[劇]$\ce{CH2=CHCN}$
別名 アクリロニトリルAcrylonitrile シアン化ビニル[劇]
【性状】
無臭又は微刺激臭のある無色透明の蒸発しやすい液体。
無色~淡黄色の液体、刺激臭(職場の安全サイト)
水に可溶。
有機溶媒に任意の割合で混和。
青酸は0.0003%の割合で含有する。
火災、爆発の危険性が強い。
【用途】★★
化学合成上の主原料で、合成繊維、合成ゴム、合成樹脂、塗料、農薬、医薬、染料などの製造の需要な原料。
【過去問題】
合成ゴムや構成樹脂の原料
【毒性】
粘膜刺激作用が強く、気道、眼、消化器を刺激して、流涙その他の粘膜よりの分泌を促進。
【貯蔵】★★
タンクまたはドラムの貯蔵所は炎や火花が生じるような器具から離しておく。
硫酸や硝酸など強酸と激しく反応するので、強酸とも安全な距離を保つ必要がある。
すべての貯蔵場所は防火性で適当な換気装置を備え、特に換気には注意し、屋内で取扱う場合には下層部空気の機械的換気が必要である。
できるだけ直接空気に触れることを避け、窒素のような不活性ガスの雰囲気の中に貯蔵する。
【過去問題】
硫酸など強酸と激しく反応するので強酸とは安全な距離を保ち保管する。
分子式は $\ce{C3H3N}$。IUPAC命名法 2-プロペンニトリル
ビニル基に$\ce{-CN}$ が結合したのが、アクリロニトリル
ニトリル:シアノ基($\ce{R-CN}$)を持つ有機物のこと。
ビニル基:$\ce{CH2=CH}-X$構造をもつ。
アクロレイン[劇]Acrolein $\ce{CH2=CHCHO}$(示性式)
別名 アクリルアルデヒド
【性状】
無色または帯黄色の液体。刺激臭。
水に可溶。エーテルに溶解。(安全データシートより。過去出題あり)
引火性。
熱または炎にさらすと、分解して毒性の高い煙を発生する。
本薬物の火災時の消火法は、二酸化炭素を用いる。
【三省堂】空気中で容易に酸化されてアクリル酸になる。
【用途】
各種薬品の合成原料のほか、医薬、アミノ酸、香料、染料、殺菌剤の製造の原料。
アクロレイン自体としての用途は、検知剤(冷凍機)、殺菌剤(水や下水)など。
【毒性】★
眼と呼吸系を刺激し、その催涙性を利用して化学戦用催涙ガスとしても使用されていた。また皮膚を刺激し、気管支カタルや結膜炎を起こさせる。
眼と呼吸器系を激しく刺激する。また、皮膚を刺激し、気管支カルタや結膜炎を起こさせる。
【注意事項】
運搬時には少量の重合防止剤(ハイドロキノンなど)添付および窒素シールがされている。
【化学的安定性】
・常温常圧で化学変化を起こす。
・爆発性過酸化物を生成することがある。
【危険有害反応可能性】
・重合することがあり、火災、爆発の危険を伴う。
・強酸、強塩基、強酸化剤と反応し、火災、爆発の危険性をもたらす。
【貯蔵】★★
火気厳禁。非常に反応性に富む物質なので、安定剤を加え、空気を遮断して貯蔵する。
【過去問題】
反応性に富み、催涙性もあるので、安定剤を加え、密栓して貯蔵する。
非常に反応性に富む物質のため、安定剤を加え、空気を遮断して貯蔵する。
アクロレイン
$\ce{CH2=CHCHO}$
$\ce{ \underbrace{ CH2=CH }_{ビニル基} \underbrace{ CHO}_{アルデヒド基} }$
acrylaldehyde ⇒ acryl+aldehyde
アクリル酸 $\ce{CH2=CHCOOH}$
アルデヒド基 $\ce{-CHO}$
カルボキシ基 $\ce{-COOH}$
ビニル基 $\hspace{4pt} \ce{CH2=CH-}$
アクロレインは、高圧ガス保安法では毒性ガスに指定されていますが、ガス状態での規制です。
メタクリル酸[劇] $\ce{CH2=C(CH3)COOH}$
methacrylic acid
【性状】
無色の液体又は無色の結晶、特徴的な臭気、水に可溶。
水への溶解度:1.59g/100mL(20℃) 多くの有機溶剤に可溶。
重合しやすいが、市販品には重合防止剤が添加されている。
メタクリル酸及びこれを含有する製剤。ただし、25%以下を含有するものを除く。
【用途】
熱硬化性塗料、接着剤、ラテックス改質剤、共重合によるプラスチック改質、イオン交換樹脂、紙・織物加工剤、皮革処理剤
【注意】安定性及び反応性
安定性: 加熱や、光、過酸化物などの酸化剤もしくは微量の塩酸の存在下で容易に重合し、火災又は爆発の危険を伴う。
危険有害反応可能性: 蒸気は抑制されておらず重合して排気孔を詰まらせることがある。
避けるべき条件: 加熱あるいは光。
混触危険物質: 酸化剤。
金属を侵す。
危険有害な分解生成物: 燃焼の際は、一酸化炭素、二酸化炭素などが生成される。
燃焼法、活性汚泥法
メタクリル酸 $\ce{CH2=C(CH3)COOH}$ 刺激臭ある無色の結晶または液体。
アクリル酸 $\ce{CH2=CHCOOH}$の真ん中の$\ce{H}$がメチル基 methyl group $\ce{-CH3}$に置き換わったもの。
メタンmethane $\ce{CH4}$、 meth + acrylic acid ➡ methacrylic acid メタクリル酸
お名前考察
アクリル酸 2-propenoic aci
$\ce{CH2=CH3CH}$ propene 二重結合
$\ce{C3H8}$ propane プロパン
-ic acid - 酸
2-Methylpropenoic acid メタクリル酸の別名
2- methyl + propenoic acid メチル+アクリル酸
上の物質は、アクリル酸 $\ce{CH2=CHCOOH}$ が関連していることに気が付くかもしれません。
アシル基 acyl group は、カルボン酸のカルボキシル基($\ce{-COOH}$)から$\ce{OH}$を除いた残りの原子団の総称で、$\ce{RCO -}$で表されます(Rは炭化水素基)。
アクリロイル基 acryloyl groupは、$\ce{H2C=CH –C(=O) –}$という構造を持つ官能基で、アクリル酸から誘導されるアシル基です。
アクリル酸 $\ce{CH2=CHCOOH}$
酢酸に似た刺激臭を有する液体。
アクリルニトリル $\ce{CH2=CHCN}$
無臭又は微刺激臭のある無色透明の蒸発しやすい液体
アクリルアミド $\ce{CH2=CHCONH2}$
無色の結晶。
アクロレイン $\ce{CH2=CHCHO}$
無色または帯黄色の液体。刺激臭。
メタクリル酸 $\ce{CH2=C(CH3)COOH}$
無色の液体又は無色の結晶、特徴的な臭気、水に可溶。
高圧ガス保安法では毒性ガスを次の通り定義されている。 ①アンモニア、塩素等の指定ガス33種類(一般高圧保安規則第2条第1項第2号)
②じょ限量(許容濃度)が200ppm以下のもの |
現在では一般に、大気中の窒素酸化物、炭素化合物が紫外線などによって複雑な化学変化をおこして生じた強い酸化性のある物質を総称してオキシダントと呼んでいます。このオキシダントは、光化学スモッグの原因となり、動物の目や呼吸器を傷め、植物を枯らしたりするため社会的な問題を引き起こしています。 その構成成分は、オゾン、アルデヒド、アクロレイン、ペルオキシアセチルニトラートその他などであるとされています。
大気汚染防止法施行令では特定物質を次の通り定められています。
(特定物質)
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悪臭物質
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アクリルアミド過去問題
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