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毒物劇物取扱者試験問題
EPNの中毒症状
問題
エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト（別名：EPN）の人体に対する代表的な作用や中毒症状とし て、適切なものはどれか次のうちどれか。
香川県
解 説
(1)吸入した場合、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、多汗等の症状を呈し、重症の場合には、縮瞳、意識混濁、全身痙攣等を起こすことがある。
選択肢(1)は、EPN $\ce{C14H14NO4PS}$（毒物）の毒性です。
キーワードは、“頭痛・倦怠感・めまい”、“多汗”、“縮瞳”でしょうか。
他県では、
アセチルコリン等を加水分解するコリンエストラーゼを阻害し、副交感神経節後線維終末（ムスカリン様受容体）あるいは神経接合部（ニコチン様受容体）におけるアセチルコリンの蓄積により、神経系が過度の刺激状態となり、さまざまな症状を引き起こす。
このように出題されています。
コリンエストラーゼというキーワードが含まれていれば、有機燐化合物（ダイアジノン、イソキサチオン、ジメトエート、パラチオン、EPN、DDVP、DEPなど）と判断できます。
(2)吸入した場合、強い麻酔作用があり、めまい、頭痛、吐き気を催し、重症の場合は、嘔吐、意識不明などを起こす。皮膚に触れた場合は、皮膚からも吸収され、湿疹を生じたり、吸入した場合と同様の中毒症状を起こすことがある。
選択肢(2)は、クロロホルム$\ce{CHCl3}$ （劇物）の毒性です。
キーワードは、“強い麻酔作用”、“めまい・頭痛；吐き気”、“湿疹”でしょうか。
別表現では、
脳の節細胞を麻痺させ、赤血球を溶解する。
吸収すると、はじめは嘔吐、瞳孔の縮小、運動性不安が現れ、脳およびその他の神経細胞を麻痺させる。
筋肉の張力が失われ、反射機能は消失し、瞳孔は散大する。
中毒の際は、呼吸麻痺または心臓停止による死亡が多い。
吸入した場合＝強い麻酔作用があり、めまい、頭痛、吐き気を催し、重症の場合は嘔吐、意識不明等を起こす。
皮膚に触れた場合＝皮膚から吸収され、湿疹が生じたり、吸入した場合と同様の中毒症状を起こすことがある。
とあります。
(3)吸入した場合、咳、息苦しさ、吐き気、咽頭痛、嘔吐、唾液分泌過多、しびれ感と刺激がある。症状が遅れて現れることがある。
選択肢(3)は、モノフルオール酢酸 $\ce{C2H3FO2}$（特定毒物）の毒性です。
キーワードは、“唾液分泌過多”が一番特徴的だと思います。
(4)吸入した場合、腎炎を起こし、重症の場合には死亡することがある。また、肝臓を障害し黄疸が出たり、溶結を起こして血色尿素を見せることがある。
選択肢(4)は、ベタナフトール$\ce{C10H7OH}$（劇物） の毒性です。
キーワードは、“腎炎”、“血色尿素”でしょうか。
(5)吸入した場合、皮膚や粘膜が青黒くなる（チアノーゼ）。頭痛、めまい、吐き気がおこる。重症の場合には、昏睡、意識不明となる。皮膚から吸収され、吸入した場合と同様の中毒症状を起こす。
選択肢(5)は、アニリンの毒性です。
キーワードは、“メトヘモグロビン”、“チアノーゼ”、“頭痛”でしょうか。
- 血色素尿
血色素（ヘモグロビン）が混じった暗赤色ないし赤褐色の尿のこと。 - チアノーゼ
血液中の酸素が欠乏して、皮膚や粘膜が青紫色になった状態をいいます。 - メトヘモグロビン
ヘモグロビンが酸化されたものです。メトヘモグロビンは酸素結合能力を欠くため、生理的な範囲を超えて増加すると、貧血症状を呈します。 - コリンエストラーゼ阻害作用
コリンエステラーゼとは、肝細胞でのみつくられる酵素で、血液中へ放出され、からだ中に存在しています。神経伝達物質の一種を分解する働きをします。 有機リン系農薬(主として殺虫剤)は、コリンエステラーゼの作用を阻害して、神経終末での神経伝達物質であるアセチルコリンの分解を阻害するため、アセチルコリンの過剰刺激様症状が現れる。強い神経興奮作用を示すそうです。【訳分かりません】
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