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毒物劇物取扱者試験問題
有機化学・分離操作2
問題
フェノール、ニトロベンゼン及びアニリンを含むジエチルエーテル溶液につて、以下の分離操作を行った。(①)~(②)に当てはまる化合物として、適切なものは次のうちどれか。
ただし、溶液中には上記化合物以外の物質は含まれないものとする。
分液漏斗にこのジエチルエーテル溶液を入れ、塩酸を加えてふり混ぜ、静置すると、水槽には(①)の塩が分けとられる。水層を除き、残ったジエチルエーテル層に、アルカリ性になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてふり混ぜ、静置すると、ジエチルエーテル層には(②)が分けとられる。
東京
解 説
選択肢(2)が正解です。
分液漏斗にこのジエチルエーテル溶液を入れ、塩酸を加えてふり混ぜ、静置すると、水槽には(①:アニリン)の塩が分けとられる。水層を除き、残ったジエチルエーテル層に、アルカリ性になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてふり混ぜ、静置すると、ジエチルエーテル層には(②:ニトロベンゼン)が分けとられる。
- 酸+塩基$\rightarrow$塩+水(中和反応)
- 弱酸の塩+強酸 $\rightarrow$ 強酸の塩+弱酸(弱酸の遊離反応)
- 弱塩基の塩+強塩基 $\rightarrow$ 強塩基の塩+弱塩基(弱塩基の遊離反応)
有機化合物が酸性物質か中性物質か塩基性物質かの判断は,次のように化合物中の官能基によって判断することができます。
- 酸性:フェノール性ヒドロキシ基$\ce{- OH}$、カルボキシ基$\ce{- COOH}$、スルホ基$\ce{- SO3H}$
- 塩基性:アミノ基$\ce{- NH2}$
- 中性:上記以外の基
具体例
- 酸性:フェノール類、カルボン酸、スルホン酸
- 塩基性:アニリン
- 中性:トルエン、ニトロベンゼン、ベンゼン、エステル、アルデヒド、アルコール等
酸・塩基の強さの順番は下記を覚えましょう。
酸の強さ:塩酸>硫酸>スルホン酸>カルボン酸>炭酸(二酸化炭素)>フェノール類
塩基の強さ:水酸化ナトリウム>アニリン
フェノール$\ce{C6H5OH}$は弱酸性物質、ニトロベンゼン$\ce{C6H5NO2}$は中性物質、アニリン$\ce{C6H5NH2}$は弱塩基性物質です。
一般的に有機物質は水に溶けにくくジエチルエーテルのような有機溶媒には溶解しやすいです。
しかし、酸塩基反応によって生じた有機物質の塩は水に溶けるようになります。
まず、塩酸を加えてふり混ぜると弱塩基性のアニリンが塩酸と反応してアニリン塩酸塩となり水に溶解します。
ジエチルエーテル層にはフェノールとニトロベンゼンが残ります。
この残った層に水酸化ナトリウム水溶液を加えると弱酸性のフェノールがこれと反応し、ナトリウムフェノキシドとなって水に溶解します。
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