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例 特定毒物 劇物
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毒物劇物取扱者試験問題


気液平衡01


問題

容積10Lの容器の内部を真空にして、水5.4gを注入後、容器内の温度を60℃に保ったとき、容器の中に液体として存在する水の質量として、適切なものはどれか次のうちどれか。
ただし、60℃における飽和水蒸気圧は、2.0×104Pa、原子量はH=1、O=16、気体定数は、8.3×103[Pa・L/(K・mol)]とし、絶対温度T(K)とセ氏温度(セルシウス温度)t(℃)の関係は、T=t+273とする。

1.3g

2.8g

4.1g

5.4g

東京


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解  説


①気体の状態方程式
気体の物質量[mol]や質量[g]を求めるとき、まず、
$PV=nRT$
を考える。
気体定数 $R=8.3 \times 10^3 [Pa \cdot L/(K \cdot \ce{mol} )] $を使う場合、圧力は$[Pa]$、体積は$[L]$、温度は$[K]$(絶対温度)しか代入できない。

②蒸気圧の振る舞い
容器に入れた液体がすべて蒸発したと仮定して求めた仮の圧力$P$が、その温度における飽和蒸気圧$P_V$よりも小さければ、蒸気は未飽和であり、すべて気体として存在する。

$ P < P_V $‥‥すべて気体として存在

容器に入れた液体がすべて蒸発したと仮定して求めた仮の圧力$P$が、その温度における飽和蒸気圧$P_V$よりも大きければ、蒸気は過飽和であり、その過剰分は凝縮し、やがて気液平衡のとなり、容器内の圧力は飽和蒸気圧$P_{\ce{H2O}}$と必ず等しくなる。

$ P > P_V $‥‥液体が存在し、気液平衡となる

$\ce{H2O}$のモル質量は18[g/mol]です。

水の物質量nは、$\frac{5.4}{18}=0.3(\ce{mol})$です。

気体の状態方程式から容器の圧力$P$を求めます。

絶対温度$T$は、$T=273+60=333[K]$です。

\[ \begin{align*} PV &=nRT \\ \\ P &= \frac{nRT}{V} \\ \\ &= \frac{ 0.3 \hspace{3pt} \times 8.3 \times 10^3 \times 333 }{10} \\ \\ &= 3 \hspace{3pt} \times 83 \times 333 \end{align*} \]

電卓がないので、3×333≒1000とします。

P=83×1000=8.3×104となります。

Pが、60℃における飽和水蒸気圧Pv=2.0×104[Pa]を超えており、水が存在することになります。

Pv時の水の物質量$x \hspace{3pt} \ce{mol}$を求めます。

\[ \begin{align*} 0.3:x &= 8.3 \times 10^4 :2 \times 10^4 \\ \\ x &= \frac{2 \times 10^4 }{8.3 \times 10^4}\times 0.3 \\ \\ &= \frac{6}{83}\\ \\ &≒0.072 \ce{(mol)} \end{align*} \]

$0.072 \ce{(mol)}$だけしか、水蒸気になっておりません。

容器の中に液体として存在する水の質量は次のようになります。

\[ \begin{align*} (0.3-0.072)\times 18 &= 0.228 \times 18 \\ \\ &≒ 4.1[g] \end{align*} \]

選択肢(3)が適切ということになります。


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