毒物劇物取扱者.com

黄燐[毒] Yellow Phosphorus $\ce{P4}$
【性状】
　白色または淡黄色のロウ様半透明の結晶性固体。
　ニンニク臭。
　比重1.83～1.85。
　水に不溶。
　アルコール、エーテルに難溶、ベンゼン、二硫化炭素に可溶。
　空気中では非常に酸化されやすく、放置すると50℃で発火して無水リン酸となる。
　塩素とは直ちに発火して化合し、塩化物となり、水酸化カリウムと熱するとホスフィンを発生。
　湿った空気に触れ徐々に酸化され、暗所ではいわゆる、りん光を発する。
【用途】
　酸素の吸収剤（ガス分析その他の化学反応）、赤燐その他の燐化合物および殺鼠剤の原料。その他、マッチ（わが国では禁止）、発煙剤あるいは黄燐焼夷弾の原料。
【毒性】
　非常に毒性が強い。
　経口摂取では、一般的に、服用後しばらくして胃部の疼痛、灼熱感、ニンニク臭のげっぷ、悪心、嘔吐をきたす。
　吐瀉物は、ニンニク臭を有し、暗所では燐光を発する。
　一時は軽快するが、2、3日後、再び悪化して黄疸様状態、肝臓肥大、粘膜出血、全身衰弱、高度の興奮状態をきたし、次第に心機能が低下して死亡する。
【過去問題】
内服では、一般に、服用後暫時で胃部の疼痛、灼熱感、にんにく臭のおくび、悪心、嘔吐をきたす。
【応急】
　漏出したものの表面を速やかに土砂または多量の水で覆い、水を満たした空容器に回収する。
【注意事項】自然発火性のため容器に水を満たして貯蔵し、水で覆い密封して運搬する。
　黄燐の付着したものは、濡れている間は発火しないが、乾くと自然発火する。
　保護具は、すき間より黄燐粒子が入り込まないように装着する。
【鑑識】
　ミッチェルリッヒ法：暗室内で酒石酸または硫酸酸性で水蒸気蒸留を行う。
　その際、冷却器あるいは流出管の内部に美しい青白色の「リン光」が認められ、それによってリンの存在を確認する。
【貯蔵】
　空気に触れると発火しやすいので、水中に沈めて瓶に入れ、さらに砂を入れた缶中に固定して、冷暗所に保管する。
【過去問題】
　空気に触れると発火しやすいので、水中に沈めてビンに入れ、さらに砂を入れた缶中に固定して、冷暗所に貯蔵する。
　空気に触れると発火しやすいので、水中に沈めて貯蔵する。
　水中に沈めてガラスビンに入れて貯蔵する。
　水中に沈めて瓶に入れ、さらに砂を入れた缶中に固定して、冷暗所に貯蔵する。
　空気にふれると発火しやすいので、通常、水中に貯蔵する。
　空気に触れると発火しやすいので、水中に沈めて壜に入れ、さらに砂を入れた缶中に固定して、冷暗所に貯蔵する。