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毒物劇物取扱者試験問題


弗化水素


問題


塩化水素、臭化水素、弗化水素、沃化水素それぞれ$0.1 mol/L$水溶液について、酸の強いものから並べた順番として、適切なものはどれか次のうちどれか。

弗化水素>塩化水素>臭化水素>沃化水素

沃化水素>臭化水素>塩化水素>弗化水素

塩化水素>臭化水素>沃化水素>弗化水素

塩化水素>臭化水素>弗化水素>沃化水素

東京都


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解  説

選択肢(2)が適切です。

沃化水素>臭化水素>塩化水素>弗化水素

逆に書けば、

弗化水素<塩化水素<臭化水素<沃化水素

$\ce{HF(弱酸)≪HCl(強酸)<HBr(強酸)<HI(強酸)}$

FCl 利 Br 歩 I 合 

ハロゲン($\ce{F \quad Cl \quad Br \quad I}$)は、水素と1:1で結合し、化合物を作ります。

このときにできる化合物を、ハロゲン化水素といいます。

ハロゲン原子の価電子は7個でいずれも1価の陰イオンになりやすいです。

一般に、構造が類似した分子では、分子量が大きくなるほど、分子間力がつよくなり、融点・沸点は高くなります($\ce{F2<Cl2<Br2<I2}$)。

一方で、ハロゲン単体$\ce{X2}$はほかの物質から電子$\ce{e^-}$を奪って、ハロゲン化物イオン$\ce{X^-}$になりやすいです。

ハロゲン原子は、原子半径が小さいほど、電子を取り込む力(酸化力)が強いです。

したがって、単体の反応性(酸化力)は、

$\ce{F2>Cl2>Br2>I2}$

の順に小さくなります。

弗化水素$\ce{HF}$は、水に溶かすと弗化水素酸という酸になります。

弗化水素酸は、弱酸です。

弗化水素自体は、非常に強い酸化力を持つのに、水素と結合して酸になると、弱くなってしまいます。

弗化水素は分子間に水素結合が生じ、5~6個の分子同士が会合しているため、$\ce{H^+}$が電離しにくく弱酸です。

他のハロゲン化水素は、強酸です。

繰り返しになりますが、弗化水素$\ce{HF}$のみ水素結合しているので、水素結合のない他のハロゲン化水素($\ce{HCl , HBr ,HI}$はファンデルワールス力による弱い結合)よりも結合が強いです。

したがって、水に溶けたとき、$\ce{HF}$は、$\ce{H^+}$と$\ce{F^-}$に分かれにくい状態になります。

つまり電離度が小さいということです。

$\ce{H^+}$ を生じにくいということは、酸として弱い、弱酸ということになります。

ハロゲン化水素は、いずれも無色・刺激臭のある有毒気体です。

また極性分子で水によく溶け、水溶液は酸性を示します。

酸の名称
酸の強さ
(0.1mol/Lでの電離度)
HF弱酸 0.10
HCl 強酸 0.926
Br強酸 0.935
HI強酸 0.950

ここで言葉で混乱するの原因は、酸化力(電子を取り込む力)と酸の強さ(0.1mol/Lでの電離度)が訳が分からなくことですね。

注意しましょう。


弗化水素$\ce{HF}$[毒]
  1. 【性状】
    不燃性の無色液化した気体。
    強い刺激性。
    気体は空気より重く、空気中の水や湿気と作用して白煙を生じ、強い腐食性を示す。
    水に易溶。
  2. 【毒性】
    吸入すると、鼻、のど、気管支、肺などの粘膜が障害され、肺水腫を生じ、呼吸困難、呼吸停止を起こす。
    直接液に触れると激しい痛みを感じ、皮膚の内部まで浸透腐食する。
    眼に入ると、粘膜等が侵され、失明することがある。
  3. 【応急】
    漏えい容器には石膏による閉止、木栓の打ち込みなどにより漏えいを防ぐ。
    漏えいを止められない場合には布、むしろ等を当て、さらに水酸化カルシウムを散布して気体を吸収させる。
    多量の気体が噴出した場合には遠方から霧状の水をかけて吸収させる。
    この場合、容器に直接散水してはならない。
    水と急激に接触すると多量の熱が発生し、酸が飛散することがあるので注意する。
    漏えいした液が少量の場合には徐々に霧状の水を多量にかけ、ある程度希釈した後、水酸化カルシウム等の水溶液で処理し、多量の水で洗い流す。
  4. 【注意】
    水が加わると大部分の金属、ガラス、コンクリート等を激しく腐食する。
    水と急激に接触すると多量の熱が発生し、酸が飛散することがある。
    爆発性でも引火性でもないが、水分の存在下では、各種の金属を腐食して水素の気体を生成し、これが空気と混合して引火爆発することがある。
    直接中和剤を散布すると発熱し、酸が飛散することがあるので、ある程度希釈してから中和する。
    液体で運搬されるが、皮膚又は衣服などに接触することにより、または外気に触れることにより急激に気体化する。
    気体は有毒。
  5. 【破棄方法】
    沈殿法 多量の水酸化カルシウム水溶液中に吹き込んで吸入させ、中和し、沈殿濾過して埋立処分する。

演習No.502 問題20


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